「ベストセラー」以上「古典」未満。人気文芸評論家が、ひと昔前のベストセラー48点の賞味期限を判定する。一九六〇年代(水平社運動に向かった少年たちの物語―住井すゑ『橋のない川』;憲法が破壊される時代への警告―丸山眞男『日本の思想』 ほか)一九七〇年代(みんなだまされた怪評論―イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』;死を選んだ女学生の「いちご白書」―高野悦子『二十歳の原点』 ほか)一九八〇年代(伝説のアイドルの「闘い」の書―山口百惠『蒼い時』;旧日本軍の暗部を暴いたノンフィクション―森村誠一『悪魔の飽食』 ほか)一九九〇年代(利用された自尊史観―司馬遼太郎『この国のかたち』;バブル崩壊期の典雅な寝言―中野孝次『清貧の思想』 ほか)「ベストセラー」以上「古典」未満読書界の懐メロ=中古典を一刀両断!一世を風靡した本には、古典に昇格するものもあれば、忘れ去られてしまうものもある──人気文芸評論家が、ひと昔前のベストセラー48点を俎上にのせ、現在の視点から賞味期限を判定する。【名作度】 ★★★ すでに古典の領域 ★★ 知る人ぞ知る古典の補欠 ★ 名作の名に値せず【使える度】★★★ いまも十分読む価値あり★★ 暇なら読んで損はない★ 無理して読む必要なし《目次(予定、抜粋)》住井すゑ『橋のない川』 差別への感受性を磨き直せ丸山眞男『日本の思想』 憲法が破壊される時代への警告中根千枝『タテ社会の人間関係』 どこが名著かわからない庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』 東大受験生の明るい屈折土居健郎『「甘え」の構造』 大風呂敷な居酒屋談義山崎朋子『サンダカン八番娼館』 ルポライターとからゆきさん小松左京『日本沈没』 天変地異の大盤振る舞い鎌田慧『自動車絶望工場』 大企業を敵に回した果敢なルポ
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