信濃国と美濃国の国境の神坂峠は、都からはるか遠い東国へとつづく古代東山道随一の難所であった。頂から東を望めば、けわしい山々が幾重にも連なる。この峠こそは、東国へのきびしい旅の始まりであった。旅の成就を願って峠の神に捧げた人びとの祈りの形を追う。第1章 東と西を分ける神坂峠(高い山・深い谷の峠の国;古代の官道、東山道;東山道の難所、神坂峠)第2章 峠は祭祀遺跡(鳥居龍蔵と大場磐雄の踏査;祭祀遺跡を掘る;祈りの場にのこされたもの;峠での祭祀)第3章 峠のふもとの里(園原の里;杉の木平遺跡;発見された古代・中世の家と道;ふもとの人びとの営み)第4章 神坂峠越えの道の歴史(縄文時代からつづく道;東国の馬匹生産と貢馬の道―古墳時代;納税の道、防人の道―古代律令時代;経済的効果を生み出す道へ―中世;天正地震と道の終焉)第5章 古道の復活信濃国と美濃国の国境の神坂峠は、都からはるか遠い東国へと続く古代東山道随一の難所であった。頂から東を望めば、けわしい山々が幾重に連なる。旅の成就を願って峠の神に捧げた人々の祈りの形を追う。〈受賞情報〉毎日出版文化賞企画部門(第65回)
Honya Club.com