2020年(言葉は売り逃げの商品でなく―池内紀『消えた国 追われた人々 東プロシアの旅』;アメリカ帰来のセイタカアワダチソウ―古川真人『背高泡立草』;ひとりひとりの死がないおそろしさ―郷原宏『岸辺のない海 石原吉郎ノート』 ほか)2021年(正月二日は「時代閉塞の現状」―石川啄木「時代閉塞の現状」;『草』がつなごうとする歴史体験と現代―キム・ジェンドリ・グムスク『草 日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー』;さらりと「隣の国のことばですもの」―金智英『隣の国のことばですもの 茨木のり子と韓国』 ほか)2022年(前半期)(「書き言葉」に接することの意味―古田徹也『いつもの言葉を哲学する』、今野慎二『うつりゆく日本語を読む―ことばが壊れる前に』;「心の虫歯」はあなたにあるか―丸山豊『月白の道 戦争散文集』;文章に聞く人生の変調、順調―砂原浩太朗『黛家の兄弟』 ほか)〈紹介文1〉 ただの気ままな読書日誌ではありません。 文芸評論家、書籍編集者の著者が、2020年1月27日から22年6月20日まで2年半弱、126週欠かさず週明けに更新し続けた一つの記録です。 コロナパンデミックからウクライナ戦争の2年半。ミャンマーの軍事クーデターがあれば香港の「民主派」弾圧もあり、Black Lives Matterや#Me Too、また、差別に抗し、ジェンダー平等を求める声と運動がかつてなく広がった時期。 まさに現代史の激流。どう生きるかが日々問われ、自己中心の排外的気分が頭をもたげるなかで、頼ったのはフローな〈情報〉でなく〈知〉のストック。先人と歴史の歩みに耳を傾け、目を凝らし、立つ位置を確かめました。 時事、歴史、文学……取りあげた著作は130冊+1CD。求めて読み、読んでは考え、心は急いても答えを慌てず、怒りは鎮めず、迷いを恐れず
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