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インタビューの聞き手が編集者に代わった。趣味の競輪談義も盛り上がり、メールのやりとりは終始のんびりムードで進むかに思われた。ところが、ある質問メールをきっかけに、話題は一気に「小説の書き方」へと展開する。「僕にはこういう書き方はできない(かも)な」同業者たちの小説を読んだ作家は、弱気な発言をくり返すが―。じわじわ攻めてくる「言葉遣いの革命」とは?連載の継続記録が幻に!?作家がスクショで保存した名言の内容は?緊急事態宣言の渦中でも、気心が知れた編集者を相手に、名物作家の"素の顔"がにじみ出る往復メール集。1 記憶について(SSGT;中吉;競輪のことだけ ほか)2 二〇一九年、八月(ここまで出てきてるのに!;言葉のど忘れについて;鉄ヲタではありません ほか)3 報告(苗字と下の名前とそれから;年賀状;自由であるべきだ! ほか)4 グランプリの準備(集中する前に;潜る;実家の母親 ほか)親戚のおじさんみたいに呼ばれる作家の素顔 「地元佐世保の書店員さんといっても、よく知らないひとたちなんだよ、交流なんてぜんぜんないし、名前だってわからない、道ですれ違っても顔もおぼえていないんだよ。そういうひとたちがさ、同じ街で小説を書いてる作家のことを、親戚のおじさんみたいに、正午さんと呼んでいる、公式に。サイン本の予約を受ける電話でそう呼ぶんだから、公式にということだよね。でもそういうのって、なんか、いい感じだと思うんだよ。現実にそくしてるというか、リアルさが感じ取れるというか。これがね、正午さんじゃなくても別に、たとえば、あのおじさん、でもいいんだ」(本書より)2022年冬公開の映画『月の満ち欠け』の原作者で、直木賞作家の佐藤正午さんがメールでインタビューに応じるシリーズ第5弾。   Honya Club.com