19世紀の英国小説研究の新しい傾向を踏まえつつ、「小説を読む」意味を問い直す。距離と分類―スコット『ウェイヴァリー』をめぐってマライア・エッジワースと帝国、ファッション、オリエンタリズムスコットランドの風俗小説―スーザン・フェリアとブリテンの家庭/故郷ジェイン・オースティンの風景論序説―ピクチャレスクからイングランド的風景へジェイン・オースティンとロイヤルネイビー―「ジェイン海軍年鑑」をどう読むか?ゲームの規則―『自負と偏見』再読『虚栄の市』の人びと"Strange extravagance with wondrous excellence"―『ジェイン・エア』と『歌姫コンシュエロ』の間テクスト性声に出して読むディケンズ『デイヴィッド・コパーフィールド』における記憶と家族始まりも終わりもない物語―ジョージ・マクドナルド『ファンタステス』における光と闇死者と亡霊の間―シェリダン・レ・ファニュ"The Familiar"を読むジョージ・エリオットにおける現実と非現実―「これらは一つの比喩である」『リチャード・フェヴレルの試練』における仮面の衰亡ハーディ小説にみる動物の痛み「虎の如き威厳」と「ジョン・クリーディ牧師」―コンラッド『闇の奥』と一九世紀末イギリスの言説共同体、社会、大衆―コンラッドと「わたしたち」の時代ジョージ・ムアの『一青年の告白』における時代の文脈『ドリアン・グレイの画像』におけるニヒリズム再生コナン・ドイルと不条理劇の系譜19世紀英国小説研究の新しい傾向を踏まえつつ、「小説を読む」意味を問い直す。ウォルター・スコットからコナン・ドイルまでの重要な作家の作品論を、幅広い世代の19人の論者が展開する。
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