祭祀を通じて顕現する中国皇帝像。前漢・後漢時代、皇帝は祭祀の実践によって国家の秩序と安寧をはかるが、両漢時代の祭祀の実態は十分に明らかではない。祭儀と祭祀場の分析を通じて、多様な思惟によって「皇帝」像がつくりあげられていく過程を解明する。漢王朝の礼制・儀礼・祭祀第1部 郊祀制の展開―祀場構造と儀礼を中心に(前漢武帝期における郊祀制の成立;王〓「元始儀」の構造―前漢末における郊祀の変化;後漢郊祀制と「元始故事」;夏至の儀礼―「元康五年詔書冊」再考)第2部 武帝の封禅と巡幸(前漢武帝の封禅―政治的意義と儀礼の考察;封禅儀礼の創出;前漢武帝の巡幸―祭祀と皇帝権力の視点から;前漢における上帝・山川祭祀の体系と展開)第3部 酎祭と両漢宗廟制(前漢前半期の酎祭;前漢後半期における宗廟制の変容;後漢の酎祭と宗廟制)前漢末礼制改革の来し方と行く末前漢・後漢時代、皇帝は祭祀の実践によって国家の秩序と安寧をはかるが、両漢時代の祭祀の実態は十分に明らかではない。祭儀と祭祀場の分析を通じて、多様な思惟によって「皇帝」像がつくりあげられていく過程を解明する。
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