ジェイムズ・ホッグからアンジェラ・カーターまで。気鋭の英文学者らによる、本格的な研究・批評の集成!充実の"ブッグガイド"と、日本における幻想文学研究を展望する"対談"を併録。第1部 西洋怪奇のジャパネスク(分身―ジェイムズ・ホッグと芥川龍之介;美しき吸血鬼―須永朝彦による西洋由来の吸血鬼の美的要素の結晶化)第2部 驚異から幻想へ(幻想のアマゾン族―古代から中世への変遷;神の祝福か、悪魔の呪いか―魔術師マーリンの予言;舞台に現れた死者たち―初期近代イングランド演劇に見る"幻想"の萌芽)第3部 ゴシックとファンタスティツク(アン・ラドクリフ『イタリアの惨劇』における幻想性と怪異感;血と病と男たちの欲望―トマス・ハーディ「グリーブ家のバーバラ」の彫像;植民地の逆襲と、あえてその名を告げぬ民族主義―オスカー・ワイルド「カンタヴィルの幽霊」の喜劇性、ゴシック性、政治性;超自然のもたらす「リアリティ」―ウィリアム・シャープの「ヒラリオン神父の激情」とフィオナ・マクラウドの「森のカハル」をめぐって)第4部 幻想と怪奇の現代(クローン人間創世紀―カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』;幽霊たちのいるところ―エリザベス・ボウエン「猫は跳ぶ」に見る幽霊屋敷の系譜;恐怖と欲望の操り人形―アンジェラ・カーターのカーニヴァル劇場)ジェイムズ・ホッグからアンジェラ・カーターまで、気鋭の英文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成。巻末には充実のブックガイドと、日本における幻想文学研究を展望する対談を収める。
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