旅籠付き小料理のどか屋の二代目・千吉は両国の川開きの晩、許嫁のおようと花火見物に。大川端で二人は、小さな子を抱いて身を投げた母の姿を見てしまった。千吉は己が泳げぬ金槌なのも忘れて、大川へ…。救けようとしたものの溺れかける。おようは大声で叫んだ。あわてないで、とにかく浮かんで助けを待つように―と。だが、自らも足を滑らせて川のなかへ…。夏の誉れは若おかみ!千吉の許嫁おようが、かわら版で大評判に…。川開きの大川に身を投げた母と子を救わんとして、金槌の千吉が我を忘れ川へ。溺れかける千吉を救うべく、おようはどう対処したか?旅籠付き小料理のどか屋の二代目・千吉は両国の川開きの晩、許嫁のおようと花火見物に。大川端で二人は、小さな子を抱いて身を投げた母の姿を見てしまった。千吉は己が泳げぬ金槌なのも忘れて、大川へ……。救けようとしたものの溺れかける。おようは大声で叫んだ。あわてないで、とにかく浮かんで助けを待つように──と。だが、自らも足を滑らせて川のなかへ……。************************本書に登場する小料理 ****************************・生姜の辛煮茶漬け ・蛸の小倉煮 ・浅蜊時雨焼き・栗ご飯 ・青唐辛子の海老射込み ・焼き茄子の煮浸し・鯵の押し寿司 ・冷やし鮑と玉豆炒め ・鯛酒蒸し*****************************************************************************◆ 著者について倉阪鬼一郎 くらさか・きいちろう1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。印刷会社勤務を経て1998年より専業作家。ミステリー、ホラー、幻想、ユーモアなど、多岐にわたる作品を精力的に発表する。2008年「火盗改香坂主税 影斬り」(双葉文庫)で時代小説家としてデビュー、好評を博す。
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