「近代数寄者」を中心とした近代茶道史から、学者や料理人、軍人、僧侶、皇室にまで視野を広げた新しい近代茶道史へ。20人の茶の湯と人生を豊富な逸話と共に取り上げ、それぞれの茶の湯の楽しみ方を見つめます。近代史上よく知られた人物、市井の知られざる風流人の姿が生き生きと立ち上がる茶人伝。井上馨(世外)―政界の雷親父は細心なる茶人有栖川宮熾仁親王(霞堂)―親王の茶の湯に見る宮家と華族の社交界安田善次郎(松翁)―慎しく陰徳を重ねた財産家の茶の湯今泉雄作(常真)―茶道具再評価の種を蒔いた江戸っ子平瀬亀之輔(露香)―大阪の茶の湯を牽引した「粋の神」住友友純(春翠)―茶の湯に文人趣味を融合させたエリート実業家益田孝(鈍翁)―近代の茶の湯を双肩に担った巨人馬越恭平(化生)―数々の逸話を残した「ビール王」数寄者柏木貨一郎(探古斎)―土蔵に住んだ幻の数寄屋建築家岡倉覚三(天心)―茶より酒を愛した『茶の本』の執筆者正木直彦(十三松堂)―美術と茶道に橋を架けた美術学校長貞明皇后―満州皇帝を茶の湯でもてなした大正天皇妃三井高棟(宗恭)―財閥の盛衰を見つめた三井家当主の茶の湯團琢磨(狸山)―鈍翁から経営と茶の湯を受け継いだ男大谷尊由(心斎)―茶の湯三昧の境地に遊んだ宗教家前田利為(梅堂)―旧大名家軍人のたしなみとしての茶の湯式守蝸牛(虎山)―悲運の宰相、戦時下の茶の湯栗山善四郎(八百善)―江戸懐石を伝え、茶の湯を愛した料亭主人加藤正治(犀水)―憲法の制定に携わった法学者茶人激変する世相の中、日本人は茶の湯に向かった。皇族・華族・実業家・学者・料理人…。近代に茶を楽しんだ20人の茶の湯と人生を豊富な逸話と共に取り上げ、それぞれの茶の湯の楽しみ方を見つめる。
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