なぜ、殺されたのか。なぜ、生き延びねばならなかったのか。革命の夢と大テロルを潜り、恐怖の詩神スターリンと対話した、芸術家と表現の運命。謀殺か、自殺か、病死か。ようやく公開された裁判記録や検事調書を解読し、もろもろの証言や作家自身の遺作に耳をすまして、その死の真相に迫る。独裁者殺し―ブルガーコフ『バトゥーム』の世界恐怖という詩神―マンデリシタームのスターリン頌歌鬱とテロル―マヤコフスキーの死と真実熱狂を見つめて―ゴーリキーはなぜ殺されたかテロルと二枚舌―ショスタコーヴィチの闘い衝突とカーニバル―エイゼンシテインにおける革命と権力の表象マンデリシターム、ショスタコーヴィチ…。大テロルの時代を潜った6人の芸術家たちの死に至る秘められた事情を、新資料にもとづいて再現する。権力と芸術のグロテスクな関係が、詩神たり得たのはなぜか。〈受賞情報〉大佛次郎賞(第29回)
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