いま、日本の住宅建設業界をみるとき、まさに大きな変革の時期にさしかかっているのが手にとるようにわかる。戦後の復興期から高度経済成長のプロセスで、一戸建て住宅をもつことが庶民の大きな夢となった。株式会社ユーエスケーは、土地は利用価値で判断すべきとし、同社の中津正修社長は、「住宅は提供する側と、使用するエンドユーザーによって育てられていくべきもので、住宅を売った時に、消費者とのコミュニケーションの接点がはじめてできる。あくまでここがスタート。何十年経っても、常にベストの住み心地を提供するには、エンドユーザーと一緒になってライフスタイルを築き上げなければならない」というスタンスをとる。ユーエスケーの急成長の要因を探り、同時に中津社長と現会長の大橋栄三郎とのドラマチックな出会いの経緯をたどることで、その企業体質が明らかになる。世の中は、たしかに高度高速情報社会の時代に変遷しつつある。これをいかにうまく活かすかによって、住宅建設業界は総合産業、基幹産業になり得る要素をもつ。そのあたりを本書で明確に示した。第1章 二十一世紀の住まいはサバーバン立地第2章 ユーエスケーがめざすマルチメディア住宅の実態第3章 本物のマルチメディア住宅をめざす第4章 出会いが生んだ未来志向型企業第5章 デジタル社会の住まいと環境
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