就活から逃げ出した言語学徒の青年は、美しい言語を話す少数民族・ムラブリと出会った。文字のないムラブリ語を研究し、自由を愛するムラブリと暮らすうち、日本で培った常識は剥がれ、身体感覚までもが変わっていく……。言葉とはなにか? そして幸福、自由とはなにか? ムラブリ語研究をとおしてたどり着いた答えとは……?人間と言葉の新たな可能性を拓く、斬新極まる言語学ノンフィクション。★高野秀行(ノンフィクション作家、『語学の天才まで1億光年』著者)「不思議な本。ただ面白いだけでなく、別の世界にトリップしたような感覚に襲われる。」★川添愛(作家・言語学者、『言語学バーリ・トゥード』著者)「生きる力を削がれた現代人のために、言語学者に何ができるのか。その答えがここにある。」【ムラブリとは】タイやラオスの山岳地帯に暮らす少数民族。人口は500名前後と推測される。「ムラ」は「人」、「ブリ」は「森」を指すため、「森の人」を意味する。タイ国内では「黄色い葉の精霊」とも呼ばれる。かつては森のなかで狩猟採集をしながら遊動生活をしていたが、定住化が進んでいる。ムラブリ語には文字がなく、話者数の減少にともない、消滅の危機にある「危機言語」に指定されている。言語学的に希少な特徴が複数確認されている。【ムラブリ(語)の不思議】・あいさつがない?・「上」は悪く、「下」は良い?・暦も年齢もない?・過去と未来が一緒?・意図的に方言をつくった?・数を数えるのは宴会芸? etc & hellip;…【内容の一部抜粋】・初調査は突然の「帰れ」で終了・お金がなさすぎて、ムラブリにおごってもらう・5年かけて、ムラブリの「家族」になる・人食い伝説によって分断されたムラブリのグループに100年越しに再会してもらい、その様子を映画にする・ムラブリ語を話せるようになったことで、身体も
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