本書は、工学部学生のために、生命の基本単位である細胞の構造と機能、生命活動を支える生命分子の概説を序章として、生命工学に関する全体像を提供する教科書として編集した。序章 生命工学第1章 遺伝子工学概論第2章 タンパク質工学概論第3章 酵素工学第4章 抗体工学第5章 進化工学第6章 微生物工学第7章 代謝工学第8章 生体材料工学第9章 医用工学第10章 環境工学《本書の目的》生命工学とは生物が持っている機能を利用する技術のことである。しかし、生物といっても多種多様であるし、その機能も千差万別なので、一口に生命工学といってもどの技術のことをさすのかは定かではない。実際生命工学はいくつかの技術の集合したものなので、その応用範囲は、医学、農学、工学、薬学、理学、考古学など多岐にわたる。よく知られている生命工学の応用例としては、遺伝子治療、遺伝子診断、クローン動物作製、組換え植物作製、DNA鑑定、細胞融合、体外受精、微生物発酵などがあげられる。工学からの生命へのアプローチとその利用は現時点では必ずしも体系的に捉えることは簡単ではない。それは、生命科学がまだ発展途上にあり、工学としても挑戦すべき多くの未知の分野が残されていることを意味している。本書では生命工学に関連する様々な研究の中で工学部(工学研究科)で行われているものに焦点を絞り分かりやすく解説することを試みた。《本書の構成》第1章の遺伝子工学概論では、DNA二重らせん構造から、DNA組換え技術とその利用、遺伝情報の流れについて解説する。第2章のタンパク質工学概論ではタンパク質の構造や機能などタンパク質の基礎知識について解説する。さらにタンパク質工学の基本技術についても解説する。第3章の酵素工学では、酵素の利用技術を概説するとともに、タンパク質
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