本書は、従来の妊娠・不妊のHOW TOものについて期待した読者には物足りないものだと思います。著者は、これまで医学の領域といわれた専門的なものも、医師と読者が同じレベルで考え、一緒に悩むものと思って書きました。例えば、排卵誘発剤などの薬。危ないか危なくないかだけではなく、リスクのない薬はないのですから、そのリスクを正確に知って不安がらないでほしいのです。実際、普通の薬でも、妊娠の時期によって影響が出たり出なかったりと変わります。ちゃんと実情を知ることによって不安を持つ必要が無くなると思うのです。ピルの問題も同じ。低用量ピルでも副作用は出てきます。もう少し専門的なことまで足を踏み入れて、自分で責任を持って判断してほしいのです。自分の体なんですから、センセーショナルな情報に惑わされずに、本書で確かな知識を持ってほしいものです。夫婦全体の1割が不妊?―「結婚2年目で赤信号」というが…「不妊」と「不妊症」は別―不妊症なら症状によって完治も可能排卵日の性交でも妊娠率3割―朝の性交が意外と効果的男性「精子数減少」は本当か―「無精子症」でも不妊克服できる低下している男性の精力―性と生殖のバランス崩す現代社会精子減少に漢方薬が効く!―造精機能、セックスパワーを回復子宮の中で子育てする胎児―6ヶ月の胎児には卵子700万個!排卵周期がわかる基礎体温―環境変化の影響大、神経質になるな「ドナー卵子」をどう考える?―日本で応用されるのはいつ…最も一般的な「人工授精」―「体外受精、顕微授精」に比べて…〔ほか〕慶応大学病院での30年にわたる不妊症診療実績をもとに、読者の切実な悩みに、ていねいに答える「子供をあきらめないための1冊。」
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