ビジネス、政治、恋愛、趣味―至るところで重要視される「共感」。その負の側面を明らかにし、あるべき向き合い方を考察する。第1章 キモくて金のないおっさんは、なぜ共感されないのか?第2章 共感中毒がもたらす負の連鎖第3章 紛争地域から見る共感との付き合い方特別対談×石川優実 社会運動において自覚的にならなければいけないこと第4章 戦略的対話―わかりあえない相手とのコミュニケーション第5章 基本的に人はわかりあえない第6章 共感にあらがえ特別対談×内田樹 私たちは共感と、どう向き合うべきか?内田樹氏、石川優実氏とのロング対談収録!ビジネス、政治、恋愛、趣味――至るところで重要視される「共感」。その負の側面を明らかにし、あるべき向き合い方を考察する。【はじめに】より抜粋共感はこの社会において、人々を繋げ、連帯を生み出し、時には社会や世界を良くしていくものとして、基本的にポジティブに語られています。そしてそれのみならず、日々の人間関係においても共感の重要性は語られますし、ビジネスの領域においてもマーケティングからプレゼンテーションまで、一つの鍵となっています。しかし同時に、私たちは共感といったものの胡散臭さも感じてきました。東日本大震災に対する「絆」に始まり、ラグビーワールドカップでの「ワンチーム」、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた「団結」など、それ自体は素晴らしいアイデアではありますが、どこかそうした美しい概念が本来の目的を超えた何かに対して恣意的に使われてきた節もありました。たしかに「絆」や「ワンチーム」「団結」の内部は、最高に気持ちが良くて恍惚すらできるものですが、よく見てみると、その中にいない人がたくさん存在していることに気が付きます。むしろ外側にいる人に対して排他
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