「日本の古代文化はみんな私たちが作ってあげたと思っていたけど、来てみたらそうではないですね」―これは修学旅行で九州を訪れた韓国・釜山の高校生が語った感想だが、これを聞いた著者がこの言葉に応えるべく書き下ろした九州歴史紀行。佐賀県の吉野ヶ里遺跡をはじめ、豊臣秀吉の朝鮮侵略の出発地として知られる名護屋、唐津・有田・伊万里・美山など陶磁器の産地、百済由来の師走祭で有名な南郷村(宮崎)など朝鮮ゆかりの地10か所を訪ね歩き、朝鮮半島と日本の関係を考える。第1部 北部九州(吉野ヶ里―光は朝鮮半島から;肥前名護屋城と玄海灘―玄海灘の海は傷みの歴史を秘して;唐津―日本の関門に残っている朝鮮文化の痕跡;有田―陶磁の神、朝鮮陶工李参平;有田・伊万里―秘窯の村には陶工無縁塔が;武雄・太宰府―その時そんなことがあったのか)第2部 南部九州(鹿児島―桜島の火山灰はいまも飛んでいる;美山の薩摩焼―故郷難忘;宮崎南郷村―そこにそれがあるので私は行く)韓国の美術評論家が、日本列島の文化遺産の魅力を韓国民に語りかけた歴史紀行。本書は、吉野ヶ里、有田、美山、南郷村など、九州の朝鮮ゆかりの地10か所を訪ね歩き、双方向的視角で朝鮮半島と日本の関係を考える。
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