文芸評論家・加藤典洋はときに著者よりも深く、鮮やかに文学作品を読み解く。その一方、デビュー作『アメリカの影』、代表作の一つ『敗戦後論』に見られるごとく、戦後日本の追究を自身の思想の足場として保持してもいる。この二つを両輪に、長年、徒手空拳のまま「現在」と向きあい、数々の魅力的な論考を発表してきた。本書では、この非凡な批評家の1999年以降、現在までの対談を精選。現代社会の見取り図を大胆に提示する見田宗介、また今は亡き吉本隆明との伯仲する対談など、時代に流されない、忖度なき思想家、同時代人との「生きた思考」のやりとりを収録した。1 人びとと生きる社会で(×田中優子―時代みつめて、今、求められているものは;×石内都―苦しみも花のように静かだ;×中原昌也―こんな時代、文学にできることって、なんだろう?;×古市憲寿―"終わらない戦後"とどう向き合うのか;×高橋源一郎―沈みかかった船の中で生き抜く方法;×佐野史郎―「ゴジラ」と「敗者の伝統」;×吉見俊哉―ゴジラと基地の戦後)2 人びとの生きる世界で(×池田清彦―3・11以後をめぐって;×養老孟司―『身体の文学史』をめぐって;×見田宗介―現代社会論/比較社会学を再照射する;×見田宗介―吉本隆明を未来へつなぐ;×吉本隆明―世紀の終わりに;×吉本隆明―存在倫理について;×吉本隆明・×竹田青嗣・×橋爪大三郎―半世紀後の憲法)文芸評論家・加藤典洋はときに著者よりも深く、鮮やかに文学作品を読み解く。その一方、デビュー作『アメリカの影』、代表作の一つ『敗戦後論』に見られるごとく、戦後日本の追究を自身の思想の足場として保持してもいる。この二つを両輪に、長年、徒手空拳のまま「現在」と向きあい、数々の魅力的な論考を発表してきた。本書では、この非凡な批評家の
Honya Club.com